CM制作の流れ|企画から放映までの10ステップと期間の決まり方
CM制作の流れを、オリエンから企画・コンテ、キャスティング、撮影、編集・MA、考査・納品までの10ステップで解説。各段階で広告主が決めること、制作期間を左右する4つの要因、AIで作ると流れのどこが変わるかを、フルAIのCMを地上波で放映した制作会社の視点で整理します。

初めてCMを作ることになった宣伝・マーケティングの担当者が最初に困るのは、「何から始めて、いつまでに何を決めればいいのか」が見えないことではないでしょうか。CM制作の流れを調べると工程の名前はたくさん出てきますが、どこで自社の判断が求められ、どこで日程が延びやすいのかまでは見えにくいものです。
CM制作の流れは、オリエンから放映までを10のステップに分けると全体がつかめます。そして期間を左右しているのは作業の量よりも、人と場所の日程、季節と天候、確認・承認の回数、考査・納品の締切です。
26℃(株式会社ニジュウロクド)は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績があります。この記事では、CM制作の流れを10ステップで整理し、各段階で広告主が決めること、期間の決まり方、AIで作ると流れのどこが変わるかを、作る側の視点で解説します。
結論から先に
- CM制作の流れは、企画→準備→撮影→仕上げ→放映の5段階・10ステップ。オリエンから考査・納品まで一本の線でつながっている
- 広告主が判断を求められるのは主にオリエン・企画の決定・撮影前の最終確認・試写。ここで決めきれないと、後ろの工程がすべて動く
- 期間を左右するのは人と場所の日程・季節と天候・確認と承認の回数・考査と納品の締切の4つ。スケジュールは放映開始日から逆算して組む
- AIで作ると、キャスティングから撮影までが設計と生成に置き換わり、最短2週間での納品が可能。ただし企画・承認・考査の流れは変わらない
CM制作の流れとは
CM制作の流れとは、広告主が目的や条件を伝えるオリエンテーションから、企画・撮影・編集を経て、放送局の考査を通り、放映されるまでの一連の工程のことです。 大きく分けると「企画」「準備」「撮影」「仕上げ」「放映」の5段階で、細かく見ると次の10ステップになります。

関わるのは、広告主、広告会社、制作会社(プロダクション)が中心です。広告会社を通さず、広告主が制作会社に直接依頼する形もあります。どの形でも、ステップの順番そのものは大きく変わりません。
CM制作の流れ ― 10ステップ
ここでは、出演者を起用して撮影する実写のテレビCMを例に、各ステップで何が行われ、広告主が何を決めるのかを順に見ていきます。
企画 ― 何を、誰に、どう伝えるかを決める
1. オリエンテーション
広告主が、商品・サービスの概要、CMの目的、ターゲット、放映の時期と媒体、尺、予算などを制作側に伝えます。この段階で決まっていない条件は、後の工程で必ず確認が戻ってきます。 特に放映開始日と媒体(地上波か、Web・SNSか)は、全体の日程と必要な品質基準を決める前提です。
2. 企画・コンテ提案
オリエンをもとに、制作側が企画案と絵コンテを提案します。絵コンテは、15秒・30秒といった尺の中で、どんな映像・セリフ・ナレーションが続くかを絵と文字で示したものです。広告主は複数の案から方向性を選び、修正を重ねてコンテを固めます。
3. 企画決定・社内承認
固まったコンテを社内で承認します。稟議の段数が多い会社では、ここが最も日程を読みにくい工程になりがちです。表現に不安がある場合は、この段階で考査の観点から確認しておくと、完成後の手戻りを防げます。
準備 ― 出演者と場所を押さえ、撮影の段取りを固める
4. キャスティング
コンテに合う出演者を選び、出演交渉を行います。タレントや俳優を起用する場合は、出演の期間・媒体・地域といった契約の範囲もここで決まり、完成したCMを使える期間を左右します。
5. ロケハン・美術の準備
撮影場所を探して下見し(ロケハン)、スタジオのセットや小道具、衣装を用意します。屋外で撮る場合は、撮影許可の取得もこの段階です。
6. PPM(撮影前の最終確認)
PPM(プリプロダクションミーティング)は、出演者・衣装・セット・小道具・カット割り・商品の見せ方などを、撮影の前に広告主と制作側で最終確認する打ち合わせです。撮影当日に決め直すことは難しいため、広告主が細部まで確認できる最後の機会と考えてください。
撮影 ― 決めたことを、決めた日に撮る
7. 撮影
スタジオやロケ地で撮影します。広告主や広告会社の担当者が立ち会い、その場で映像を確認するのが一般的です。屋外では天候に左右されるため、予備日を設けることもあります。そして撮影日は、出演者・スタッフ・場所の日程がすべてそろう日にしか置けません。
仕上げ ― 編集・音・試写で完成させる
8. 編集(オフライン・オンライン)
撮影素材から使うカットを選び、尺に合わせてつなぐ仮編集(オフライン編集)で構成を確認します。その後の本編集(オンライン編集)で、色味の調整、合成、テロップなどを仕上げます。仮編集の段階で広告主が構成を確認するのが一般的です。
9. MA・試写
MAは、ナレーション・音楽・効果音を録音・調整して映像と合わせる、音の仕上げの工程です。完成した映像は試写で広告主が確認し、承認されたものが完成版になります。
放映 ― 考査を通り、放送局へ納品する
10. 考査・納品・放映
テレビCMは放映前に、放送局による考査(表現や表示が基準に合っているかの確認)を受けます。あわせて、局ごとに定められた形式で完成素材を納品し、放映が始まります。音量や納品形式といった技術的な要件も満たす必要があります。放映枠の手配は、制作と並行して広告会社などが進めるのが一般的です。
Web・SNS向けの動画広告では、考査の代わりに配信先の広告審査を受けるなど、最後のステップの中身が変わります。
CM制作の期間は何で決まるか
「CMを作るのにどれくらいの期間がかかるか」は、よく聞かれる質問です。ただ、実写のCMの期間は案件によって大きく異なり、一概には言えません。期間を決めているのは作業の量ではなく、次の4つの要因だからです。

1. 人と場所の日程
出演者、監督やカメラマンなどのスタッフ、ロケ地やスタジオ。撮影日は、これらの日程がすべてそろう日にしか置けません。出演者の予定が埋まっているほど撮影日の候補は限られ、撮影日が決まらなければ、その後の編集・MA・考査の日程も決まりません。
2. 季節と天候
季節物の商品は、放映する季節より前に、その季節の映像を撮る必要があります。夏の商品のCMを、まだ夏になっていない時期に撮るといった具合です。季節の風景そのものが必要な場合は、その季節が来るのを待つか、セットや合成で補うことになります。屋外の撮影は、天候にも左右されます。
3. 確認・承認の回数
企画の決定、PPM、試写と、広告主の確認は少なくとも数回あります。そのたびに社内の承認が必要なら、承認にかかる日数がそのまま全体の期間に足されます。修正が入れば、確認はもう一巡します。
4. 考査・納品の締切
テレビCMには、放映開始日から逆算した考査と納品の締切があります。前の工程が遅れても、この締切のほうは動きません。遅れのしわ寄せは、締切の手前にある編集や確認の時間に集まります。
スケジュールは放映開始日から逆算する
4つの要因を踏まえると、CMのスケジュールは放映開始日から逆算して組むのが基本です。
- 放映開始日と媒体を、オリエンの時点で確定する
- 考査・納品の締切から、試写・編集・撮影の日程を逆に置いていく
- 社内承認が何回あり、それぞれに何日かかるかを先に見積もっておく
- 季節の映像が必要なら、その季節に間に合う撮影日が取れるかを最初に確認する
発注前に依頼書へ書いておきたい項目は、AI動画を発注するときの注意点で整理しています。
AIでCMを作ると、流れのどこが変わるか
生成AIでCMを作る場合も、10ステップの骨格は同じです。変わるのはステップ4〜7のキャスティング・ロケハン・PPM・撮影で、出演者と舞台を撮影ではなく設計と生成で用意します。
| 段階 | 実写CM | AI CM |
|---|---|---|
| 企画 | 1〜3:オリエン・企画・コンテ・社内承認 | 同じ(コンテが生成の指示のもとになる) |
| 人物 | 4:キャスティング(出演者を選び、契約する) | キャラ設計(全カットで同じ人物に見せる) |
| 場所 | 5:ロケハン・美術(場所を探し、セットを組む) | 世界観の設計(背景・光・色調のルール) |
| 撮影 | 6〜7:PPM・撮影(撮影日に集まって撮る) | 生成と選別(出し、選び、直す) |
| 仕上げ | 8〜9:編集・MA・試写 | 生成したカットを合成・編集し、MA・試写へ |
| 放映 | 10:考査・納品・放映 | 同じ |
26℃では、キャラ設計 → 世界観 → 合成 → 最終カットまで、制作画面のまま全工程を開示しています。演者はAIアバターとし、実在の人物・ブランド・キャラクターを模倣しない運用です。工程の中身はAI CM制作とは?実写CMとの違いと、制作の流れを工程で解説で詳しく扱っています。
消えるのは「日程」と「季節」の制約
期間の4要因のうち、AIで消えるのは人と場所の日程と、季節・天候です。撮影と日程調整が発生しないため、26℃では最短2週間での納品が可能です。季節物でも、季節を待たずにその季節の映像を作れます。
ステップ4で触れた出演契約の範囲も、AIアバターであれば発生しません。26℃では権利を完全買い切りとし、著作権・肖像権とも譲渡しています。どの工程が消えるのかは撮影不要のAI動画制作|工程が減る理由と、できないことで工程ごとに整理しています。
残るのは「決める」工程
一方で、確認・承認の回数と、考査・納品の締切は、AIでも変わりません。26℃はフルAIで制作したCMを地上波で放映していますが、AIで作ったからといって考査の基準が緩むことはなく、納品の要件も実写と同じです。撮影がないぶん、仕上がりは日本国内のスタッフによる最終チェックで担保します。
AIで速くなるのは「作る」工程で、「決める」工程は速くなりません。 最短2週間を生かせるかどうかは、オリエンで条件を確定し、社内承認の段取りを先に組めるかにかかっています。地上波で放映したAI CMの事例はこちらの制作実績でご覧いただけます。
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よくある質問
Q. CMを作る流れは?
A. 一般的には、オリエンテーション→企画・コンテ提案→企画決定・社内承認→キャスティング→ロケハン・美術→PPM→撮影→編集→MA・試写→考査・納品・放映の10ステップで進みます。大きくは企画・準備・撮影・仕上げ・放映の5段階です。
Q. CMを作るのにどれくらいの期間がかかりますか?
A. 実写のCMは、出演者・スタッフ・場所の日程、季節や天候、確認・承認の回数、考査・納品の締切によって大きく変わります。AIで制作する場合は撮影と日程調整が発生しないため、26℃では最短2週間での納品が可能です。どちらも、放映開始日から逆算して組むのが基本です。
Q. CMの撮影は放映の何ヶ月前に行いますか?
A. 放映開始日から、編集・MA・考査・納品にかかる日数を逆算して決まるため、一律には言えません。季節物は放映する季節より前に撮影する必要があるため、早めの準備が必要です。AIで制作すれば、季節を待たずにその季節の映像を作れます。
Q. CM制作で広告主がやることは何ですか?
A. オリエンで目的や条件を伝え、企画・コンテの選択と社内承認、撮影前の最終確認(PPM)、撮影の立ち会い、試写での承認を行います。特に、オリエンの時点で放映開始日と媒体を確定しておくことが、日程を崩さないための前提です。
Q. AIで作ったCMもテレビで放送できますか?
A. できます。26℃はフルAIで制作したCMを地上波で放映した実績があります。AIで作っても放送局の考査は実写と同じように受けるため、その基準を前提に作る必要があります。
まとめ
CM制作の流れは、オリエンから考査・納品・放映まで、企画・準備・撮影・仕上げ・放映の5段階、10ステップで進みます。広告主が判断を求められるのは、オリエン・企画の決定・PPM・試写の場面です。
期間を左右するのは作業の量ではなく、人と場所の日程、季節と天候、確認・承認の回数、考査・納品の締切の4つです。スケジュールは放映開始日から逆算して組みます。
AIで作ると、キャスティングから撮影までが設計と生成に置き換わり、日程と季節の制約が消えます。一方で、企画・承認・考査という「決める」流れは変わりません。
26℃は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績をもとに、AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を提供しています。工程の全開示、日本国内での最終品質チェック、権利の完全買い切りまで含めて設計しています。実際の制作物は制作実績でご覧いただけます。
AI映像制作の進め方、品質管理の考え方、権利の扱いをまとめた資料をご用意しています。社内での検討・稟議にそのままお使いいただけます。
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執筆:26℃ 編集部
AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を運営する株式会社ニジュウロクド(26℃)の編集チームです。制作現場で実際に用いている基準をもとに、AIクリエイティブの実務情報を発信しています。
