トンマナとは?意味と決め方、動画・CMでトンマナを揃える方法
トンマナ(トーン&マナー)とは何か。意味と揃える理由、決め方の4ステップを整理したうえで、動画・CMならではの6つの要素(色調と光・人物・カメラの動き・テンポ・音と声・テロップ)と、AIで映像を作るときにトンマナを守る方法を、フルAIのCMを地上波で放映した制作会社が解説します。

「トンマナを揃えてください」「このCM、トンマナが合っていない」——広告やデザインの現場でよく使われる言葉ですが、「具体的に何を決めればいいのか」と聞かれると、答えに詰まる人も多いのではないでしょうか。
トンマナとは、広告や制作物の雰囲気と表現のルールを揃えるための決まりごとです。そして動画やCMでは、色や書体に加えて、光・人物・カメラの動き・テンポ・音まで、決める要素が増えます。
26℃(株式会社ニジュウロクド)は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績があります。この記事では、トンマナの意味と決め方を整理したうえで、動画・CMでトンマナを揃える方法と、AIで映像を作るときの注意点を、作る側の視点で解説します。
結論から先に
- トンマナとは、トーン&マナーの略で、広告や制作物の雰囲気(トーン)と表現のルール(マナー)を揃えるための決まりごと
- 決め方は、印象を言葉にする → 見た目のルール → 言葉のルール → ガイドラインにまとめるの4ステップ。誰が作っても同じブランドに見えることが目的
- 動画・CMでは、色調と光・人物・カメラの動き・テンポ・音と声・テロップが加わる。言葉だけでは伝わりにくいので、参考映像で示す
- AIで作る映像は、指示ごとに少しずつ違うものが出るため、トンマナを生成の前に「設計」として固めることが仕上がりを左右する
トンマナとは
トンマナとは、「トーン&マナー(tone and manner)」を略した言葉で、広告やWebサイト、資料、動画などの制作物について、雰囲気と表現のルールを一貫させるための決まりごとのことです。 もとは広告・デザインの業界で使われてきた言葉で、今ではマーケティングや広報の現場でも広く使われています。
- トーン — 全体の雰囲気や調子。「明るい」「落ち着いた」「親しみやすい」「信頼感がある」など
- マナー — その雰囲気を保つための表現のルール。色・書体・写真の雰囲気・文体・言い回しなど
トーンが「どう感じてほしいか」、マナーが「そのために何を守るか」と考えると分かりやすいでしょう。似た意味で、「テイスト」「世界観」「統一感」と言うこともあります。
トンマナを揃える3つの理由
- 一目で、どのブランドか分かる — Webサイト・パンフレット・SNS・CMで印象がぶれなければ、接点が増えるほどブランドとして覚えてもらいやすくなる
- 信頼につながる — 見るたびに雰囲気が違うと、同じ会社だと認識されにくく、ちぐはぐな印象を与える
- 制作の判断が速くなる — 社内外の複数の人が制作に関わっても、判断の基準がはっきりしているので、修正の手戻りが減る
トンマナの決め方 4ステップ

1. 印象を言葉にする
ブランドとして、見た人にどう感じてほしいかを、形容詞3つ程度で決めます。たとえば「誠実」「軽やか」「先進的」のように。あわせて「こう見られたくない」も決めておくと、迷ったときの判断がしやすくなります。
2. 見た目のルールを決める
色(メインカラー・ベースカラー・アクセントカラー)、書体、写真やイラストの雰囲気、余白の取り方など。1で決めた印象に合うものを選びます。
3. 言葉のルールを決める
文体(です・ます調か、だ・である調か)、言い回し、表記の決まり、使わない表現など。キャッチコピーやナレーションも、この言葉のルールに沿って書きます。
4. ガイドラインにまとめる
決めたルールを文書にまとめ、良い例と悪い例を並べて示します。言葉だけでは人によって解釈がぶれるため、実例があると、外部の制作会社にも伝わりやすくなります。
動画・CMのトンマナで決める6つのこと
静止画や文章に比べて、動画は時間と音を持つぶん、トンマナとして決める要素が増えます。

1. 色調と光
全体の色味、明るさ、光の当たり方。同じ色を使っていても、光が違えば印象は大きく変わります。 温かい光か、澄んだ光か、影を強く出すか、といったところまで決めておきます。
2. 人物
出演者の年齢感・服装・表情・話し方。人物は、ブランドの印象を最も強く左右する要素の一つです。
3. カメラの動き
固定で落ち着いて見せるか、動きで躍動感を出すか。被写体に寄るか、引いて全体を見せるか。カメラの動きにも、ブランドらしさが出ます。
4. テンポ
カットの長さと切り替えの速さ。同じ15秒でも、カットの数で印象は大きく変わります。
5. 音と声
音楽の雰囲気、効果音、ナレーションの声質と話す速さ。映像を見ていない瞬間にも、音はブランドを伝えます。
6. テロップ
書体・色・位置・出し方。Webサイトや印刷物と書体を揃えておくと、媒体をまたいでも同じブランドに見えます。
動画のトンマナは言葉だけでは伝わりにくいため、参考映像を「近いもの」と「避けたいもの」の両方で示すと、制作側との認識が揃いやすくなります。また、シリーズで作るCMや、尺・画面の縦横を変えて出し分けるWebCMでは、1本ごとではなく全体で揃っているかを確認します。出し分けについてはWebCMとは?テレビCMとの違いと、出し分けを前提にした作り方で解説しています。
AIで作る映像で、トンマナを守るには
AIは、指示ごとに少しずつ違うものを出す
生成AIは、似た指示を出しても、出力のたびに少しずつ違う映像を出します。何もしなければ、カットごとに色味や光の当たり方、人物の顔立ちがずれていきます。AIで作る映像は、実写以上にトンマナが崩れやすい作り方だと言えます。
トンマナを「設計」として先に固める
だからAIで作る場合は、トンマナを生成の前に設計として固めます。26℃の制作工程はキャラ設計 → 世界観 → 合成 → 最終カットの順に進み、人物の顔立ちや衣装、背景・光・色調のルールを先に決めてから生成に入ります。制作画面のまま全工程を開示しているため、トンマナが合っているかを途中の段階から確かめられます。
最後は、人の目で揃っているかを確かめる
生成したカットは、設計どおりか、前後のカットと揃っているかを見て選び、直します。AIの出力はそのまま納品せず、日本国内のスタッフが最終チェックを行います。わずかなずれも、積み重なると違和感になります。違和感が生まれる要因はAI CMが「気持ち悪い」と言われない作り方で詳しく扱っています。
シリーズや出し分けでも同じ人物・同じ世界に見せる工程の全体像はAI CM制作とは?実写CMとの違いと、制作の流れを工程で解説で、地上波で放映したAI CMの事例はこちらの制作実績でご覧いただけます。
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よくある質問
Q. トンマナとは何の略ですか?
A. 「トーン&マナー(tone and manner)」の略です。トーンは雰囲気や調子、マナーはその雰囲気を保つための表現のルールを指します。
Q. トンマナの別の言い方はありますか?
A. 文脈によって「テイスト」「世界観」「統一感」などと言い換えられます。いずれも、制作物の雰囲気と表現を揃えるという意味で使われます。
Q. トンマナとデザインガイドラインの違いは何ですか?
A. トンマナは揃えるべき雰囲気と表現の方向性、ガイドラインはそれを具体的なルールとして文書にまとめたものです。トンマナを決め、ガイドラインで共有する、という関係です。
Q. 動画のトンマナは、制作会社にどう伝えればいいですか?
A. 印象を表す言葉、色や書体などのルールに加えて、参考映像を「近いもの」と「避けたいもの」の両方で示すのがおすすめです。色調と光、人物、テンポ、音といった動画ならではの要素も、できるだけ具体的に伝えます。
Q. AIで作った動画でも、トンマナは揃えられますか?
A. 揃えられます。ただしAIは指示ごとに少しずつ違うものを出すため、人物と世界観を生成の前に設計として固め、カットごとに確認する工程が欠かせません。
まとめ
トンマナとは、トーン&マナーの略で、広告や制作物の雰囲気と表現のルールを揃えるための決まりごとです。印象を言葉にする → 見た目のルール → 言葉のルール → ガイドラインにまとめるの4ステップで決めると、誰が作っても同じブランドに見えるようになります。
動画・CMでは、色調と光・人物・カメラの動き・テンポ・音と声・テロップが加わります。言葉だけでは伝わりにくいので、参考映像で「近いもの」と「避けたいもの」を示すのが近道です。
そしてAIで作る映像では、トンマナを生成の前に設計として固め、人の目で揃っているかを確かめる工程が、仕上がりを左右します。
26℃は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績をもとに、AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を提供しています。工程の全開示、日本国内での最終品質チェック、権利の完全買い切りまで含めて設計しています。実際の制作物は制作実績でご覧いただけます。
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執筆:26℃ 編集部
AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を運営する株式会社ニジュウロクド(26℃)の編集チームです。制作現場で実際に用いている基準をもとに、AIクリエイティブの実務情報を発信しています。
