WebCMとは?テレビCMとの違いと、出し分けを前提にした作り方
WebCMとは何か。テレビCMとの違いを尺・審査・届け方・差し替えやすさの4つで整理し、WebCMでは尺や画面の縦横、訴求のパターンを出し分けるのが前提になる理由と、AIで作る場合の進め方を、フルAIのCMを地上波で放映した制作会社の視点で解説します。

テレビCMではなくWebCMを検討するとき、最初に浮かぶのは「テレビCMと何が違うのか」「テレビCMを作って、それをWebでも流せば済むのではないか」という疑問ではないでしょうか。
WebCMとテレビCMの違いは、映像の作り方そのものより、流す場所が求める基準にあります。そしてその違いから、WebCMは「1本を作る」ものではなく、尺・画面の縦横・訴求のパターンを出し分けることが前提になります。
26℃(株式会社ニジュウロクド)は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績があります。この記事では、WebCMとは何かを定義から整理し、テレビCMとの違い、出し分けが前提になる理由、AIで作る場合に変わることを、作る側の視点で解説します。
結論から先に
- WebCMとは、動画サイト・SNS・Webサイトなど、インターネット上で配信するCMのこと。テレビの放送枠ではなく、配信先の広告枠や自社のアカウントで流す
- テレビCMとの違いは尺・審査・届け方・差し替えやすさの4つ。どれも「流す場所が決める基準」の違い
- WebCMは尺・画面の縦横・訴求のパターンを出し分けるのが前提。実写では撮影が増えるが、AIなら同じ設計から作り直しで出し分けられる
- テレビCMの素材をWebで流すなら、出演契約の範囲・冒頭の数秒・音なしでの見え方・画面の縦横を確認する
WebCMとは
WebCMとは、動画サイト・SNS・Webサイトなど、インターネット上で配信するCMのことです。 「Web動画広告」「ネットCM」と呼ばれることもあります。テレビの放送枠で流すテレビCMに対して、WebCMは配信先の広告枠に出稿したり、自社のアカウントやWebサイトで公開したりして届けます。
流れる場所はさまざまです。動画の再生前や途中に流れるもの、SNSのタイムラインに投稿と並んで表示されるもの、Webページを読み進める途中で再生されるものなどがあり、場所ごとに見られ方が違います。WebCMを作るときに最初に決めるべきなのは、この「どこで流すか」です。
テレビCMとの違い ― 流す場所が決める4つの基準
WebCMとテレビCMは、同じ「CM」でも、流す場所が求める基準が違います。作る側から見ると、違いは次の4つに整理できます。

1. 尺 ― 決まった秒数か、自由か
テレビCMは15秒・30秒といった決まった尺で放映されます。WebCMには決まった尺がなく、数秒の短いものから数分の長いものまで、流す場所と目的に合わせて決めます。尺が自由なぶん、「何秒で何を伝えるか」を自分たちで決める必要があります。
2. 審査 ― 放送局の考査か、配信先の広告審査か
テレビCMは放映前に、放送局による考査を受けます。WebCMは考査の代わりに、配信先ごとの広告審査を受けるのが一般的です。基準は配信先によって異なり、見直されることもあるため、出稿のたびに最新の規定を確認します。どちらの場合も、法令や表示のルールを守る必要がある点は変わりません。
3. 届け方 ― 放送枠で広くか、狙った人にか
テレビCMは、放送枠を通じてその時間にテレビを見ている人に広く届きます。WebCMは、年齢・地域・関心などで配信する相手を絞り込めるのが特徴です。再生数や最後まで見られた割合といった反応を、数字で確かめながら配信を調整できます。
4. 差し替え ― 放映前に確定か、配信中も変えられるか
テレビCMは考査と納品を経て放映されるため、放映前に完成版を確定させる必要があります。WebCMは、配信を続けながら反応の良いパターンに寄せたり、別のパターンに差し替えたりできます。差し替えた素材も、配信先の審査は受け直します。
テレビCMとWebCMの制作工程そのものは、大きくは変わりません。企画から納品までの流れはCM制作の流れ|企画から放映までの10ステップと期間の決まり方で解説しています。
WebCMは「出し分け」が前提になる
4つの違いを並べると、WebCMの作り方の前提が見えてきます。流す場所ごとに見られ方が違い、配信中にも差し替えられる。だからWebCMは、1本の完成品ではなく、組み合わせとして作ることになります。
- 尺の出し分け — 短い版で興味を引き、長い版で詳しく伝える。同じ内容でも、場所によって求められる長さが違う
- 画面の出し分け — スマートフォンの縦型画面、パソコンや動画サイトの横型画面、SNSの正方形に近い画面。横長の映像を縦型の画面で流すと、小さく表示されてしまう
- 訴求の出し分け — 誰に向けるか、何を一番に伝えるかを変えた複数のパターン。反応を見て、良いほうに寄せていく
尺3種類×画面3種類×訴求2パターンなら、それだけで18通りです。WebCMの手間は、1本の作り込みよりも、この出し分けの数で決まると考えたほうが実態に近いでしょう。
AIでWebCMを作ると、何が変わるか

実写では、出し分けの数だけ撮影が増える
実写で出し分けを用意する場合、尺の違いは編集で作れても、画面の縦横や訴求のパターンを変えるには、撮影の段階から準備が要ります。縦型と横型では構図が違うため両方を想定して撮る必要があり、別の場面や別の訴求を加えるなら撮影日そのものが増えます。後から足そうとすれば、出演者とロケ地を押さえ直すことになります。
AIでは、同じ設計から作り直しで出し分けられる
AIで作る場合、出演者と舞台は撮影ではなく設計として残ります。26℃の制作工程はキャラ設計 → 世界観 → 合成 → 最終カットの順に進み、制作画面のまま全工程を開示しています。設計が残っているので、別の尺・縦型・別の訴求を撮り直しではなく作り直しで追加できます。配信の反応を見てから別のパターンを足す、という進め方とも相性がよい作り方です。
撮影と日程調整が発生しないため、26℃では最短2週間での納品が可能です(実際の期間は、出し分けの数と確認の回数で変わります)。出し分けが増えるほど、「何を、何通り出し分けるか」を最初に決めておくことが大切になります。
Webで流すものも、テレビの水準で作る
WebCMは、テレビCMより手軽なものとして扱われがちです。ただ、画面の大きさや流れる回数が違っても、ブランドの顔として見られることに変わりはありません。26℃はフルAIで制作したCMを地上波で放映しており、Webで流すものも同じ水準で作っています。仕上がりは、日本国内のスタッフによる最終チェックで確認します。
最初から地上波で通る水準で作っておけば、後からテレビに広げても手戻りが起きにくくなります。AI CMの工程の全体像はAI CM制作とは?実写CMとの違いと、制作の流れを工程で解説で、地上波で放映したAI CMの事例はこちらの制作実績でご覧いただけます。
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テレビCMの素材をWebCMに流用するときの確認点
すでにあるテレビCMをWebでも流したい、という相談はよくあります。流用はできますが、次の4点を確認しておかないと、思ったように届かなかったり、そもそも流せなかったりします。
1. 出演契約の範囲
タレントや俳優の出演契約は、使える期間・媒体・地域が決まっています。契約がテレビでの放映に限られていれば、Webでは流せないことがあります。AIアバターを演者にしたCMであれば、こうした出演契約の事情は発生しません。26℃では演者をAIアバターとし、実在の人物・ブランド・キャラクターを模倣しない運用としたうえで、権利を完全買い切りとし、著作権・肖像権とも譲渡しています。
2. 冒頭の数秒
テレビCMは、番組の合間にそのまま見てもらえる前提で作られています。Webでは、最初の数秒でスキップされたり、スクロールで流されたりします。商品やブランドが最後に出てくる構成のままだと、伝わる前に離脱されてしまいます。
3. 音なしでの見え方
SNSなどでは、音を出さずに見ている人も少なくありません。ナレーションやセリフで伝えている内容は、テロップで補えるかを確認します。
4. 画面の縦横
テレビCMは横長の画面で作られています。スマートフォンの縦型画面で流すなら、縦型の版を別に用意するか、少なくとも重要な要素が画面の中央に収まっているかを確かめます。縦型の短い動画で物語を見せる広告についてはショートドラマ広告とは?AIで作る工程と「うざい」と言われない工夫でも扱っています。
よくある質問
Q. WebCMとは何ですか?
A. 動画サイト・SNS・Webサイトなど、インターネット上で配信するCMのことです。テレビの放送枠ではなく、配信先の広告枠に出稿したり、自社のアカウントやWebサイトで公開したりして届けます。
Q. WebCMとテレビCMの違いは何ですか?
A. 尺・審査・届け方・差し替えやすさの4つです。テレビCMは15秒・30秒の決まった尺で、放送局の考査を経て放送枠で広く届けます。WebCMは尺が自由で、配信先の広告審査を受け、配信する相手を絞り込めて、配信中に差し替えることもできます。
Q. WebCMは何秒にすればいいですか?
A. 決まりはなく、流す場所と目的で決めます。短い版で興味を引き、長い版で詳しく伝えるように、複数の尺を用意して出し分けるのが一般的です。
Q. テレビCMをそのままWebCMとして使えますか?
A. 使える場合もありますが、出演契約がテレビでの放映に限られていると、Webでは流せないことがあります。あわせて、冒頭の数秒で伝わるか、音なしでも伝わるか、縦型の画面でどう見えるかを確認してください。
Q. CMは何の略ですか?
A. コマーシャル・メッセージ(commercial message)の略です。テレビやラジオ、インターネットなどで流れる広告を指します。
Q. AIで作ったWebCMを、テレビCMとしても流せますか?
A. 流せます。26℃はフルAIで制作したCMを地上波で放映した実績があります。テレビで流す場合は放送局の考査を受けるため、最初からその基準を前提に作っておくと手戻りが起きにくくなります。
まとめ
WebCMとは、動画サイト・SNS・Webサイトなど、インターネット上で配信するCMです。テレビCMとの違いは尺・審査・届け方・差し替えやすさの4つで、どれも流す場所が求める基準の違いです。
その違いから、WebCMは尺・画面の縦横・訴求のパターンを出し分けることが前提になります。実写では出し分けの数だけ撮影が増えますが、AIで作れば、キャラクターと世界観の設計から作り直しで出し分けられます。
26℃は、フルAIで制作したCMを地上波で放映した実績をもとに、AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を提供しています。工程の全開示、日本国内での最終品質チェック、権利の完全買い切りまで含めて設計しています。実際の制作物は制作実績でご覧いただけます。
AI映像制作の進め方、品質管理の考え方、権利の扱いをまとめた資料をご用意しています。社内での検討・稟議にそのままお使いいただけます。
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執筆:26℃ 編集部
AI映像制作サービス「DIRECT FILM」を運営する株式会社ニジュウロクド(26℃)の編集チームです。制作現場で実際に用いている基準をもとに、AIクリエイティブの実務情報を発信しています。
